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【読書感想】人に強くなる極意

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読書の目的

どうすれば対人関係が強くなるのかを知りたかった。

 

内容

①怒らない・②びびらない・③飾らない・④侮らない・⑤断らない・⑥お金に振り回されない・⑦あきらめない・⑧先送りしない、の8つを「人に強くなる極意」とし、それぞれに著者の経験と意見、そして対応策が書かれている。

 

1.怒らないについて

怒る必要があるのは①嘘をついたとき②事務的なイージーミスをしたときの2つ。著者は外交官時代に、部下の嘘と事務的なケアレスミスと大きな外交問題に発展しかけた経験がある。それ以外の時に怒らない為にはどうするか。それは自分の怒りの出所はっきりと捉えること。しかしこれには経験が必要である。その経験は、良い小説や映画を通じて、他人の人生を疑似体験することで積んでいくのが良い方法。また芸術に触れること自体にもストレスを昇華させる力がある。芸術には昔からそのような役割があった。

 

2.びびらないについて

まずは何にびびっているが明確にすることに努める。人は得体の知れないものに恐れを抱く。自分を見つめ何が怖いかをしっかりと自覚する。そして次に相手を内在的論理を理解する。著者は外交官時代、相手の内在的論理の理解にフィクションでの代理経験が大いに役立ったみたいだ。商売も含め社会は相手をビビらすことで成り立っている。自分と相手を正面から見つめることと代理経験を積むことで、状況を的確に捉えられるようにする。

 

3.飾らないについて

飾らないためには、飾る必要のない軸を自分の中に作ることが重要だ。

結局、飾らない力を得るには、自分が何者であるかを明確にすることに尽きると思います。人間としての根っこがどこにあるのか、国や民族、故郷や家族、信条や哲学・・・。あなたにはその軸がありますか?軸がはっきりしているからこそ、虚と実の間でどんなに揺れ動いても、飾らない自己、飾らない関係を作ることができる。(p.100)

 

 

4.侮らないについて

侮りに気づくためにノートをつける。批判されても感情的になって終わるのではなく、冷静になって分析すること。自分が陥りそうな心の状態、慢心・油断などを挙げる。時間をとって自分を見つめることが、侮りを発見する為の方法。もう1つの方法は「畏れ」の心を取り戻すこと。「畏れ」は「侮り」の対極。「侮り」は人と性と認め、対極にある「畏れ」の感覚を意識的に持つことでバランスを取る。

 

5.断らないについて

仕事に関しても人間関係も基本のスタンスとしては断らない。「断らない力」というのはすなわち「受け入れる力」とも言える。特に若いうちは仕事も断らず、何でもこなして力をつけるべき。人間関係でも断らずに、キャパを広げ、他人との差異を楽しめるようになること。

 

6.お金に振り回されないについて

資本の力が意味することを理解しておく。それはすべてを商品化する力である。自分自身が労働市場においてコモディティに堕ちないようにキャリアを積む必要がある。またお金というのは「限界効用が低減しない」一種の麻薬的な要素を含んでいる。資本主義社会が人々の欲望と幻想をかき立て煽ることで消費を促すことで成り立っているということを頭の片隅に入れとくべきだ。

 

7.あきらめないについて

「あきらめない」と言うことが目的論的なものであるなら、そこには必ず完成形つまり終わり解明されていなければならない」(186ページ)

英語のendと言う言葉には「終わり」と「目的」の2つの意味がある。目標立てるときは必ず両方のendを明確にして、ノートに書き出して進捗を可視化するのが良い。

 

8.先送りしない

決断するのは怖いと言うのは人間の本性。だからこそその上で先送りするリスクをきちんと冷静かつ合理的に判断することが大切だ。



まとめ

人に強くなる極意は、まずは自分を制することだということだった。自分をコントロール出来なければ、周りをコントロールすることは出来ない。自己認識力(self-awareness)を高めることがその第一歩目だ。具体的な方策としては、以下の2つだ。

①代理経験を積む(色々な立場から物事を見れるようになるため)

②自省ノートをつける(思考を可視化するため)

そして自己認識力を高めていけば、軸が出来、飾る必要のない自分になる。結果として、「人に強くなる」という事につながる。