【読書感想】「仕事ができる」とはどういうことか?
どういう本か?
本書は楠木建氏と山口周氏の対談本であり、「仕事が出来る」為の条件である「センス」について語っている。「センスとは何で、何でないかについて」「仕事ができる人はどういう人で、仕事が出来ない人はどういう人か」著者の経験に基づいた実例を挙げていくことによって、手に取りにくい「センス」分かりにくいものの輪郭をはっきりさせて行く。「仕事ができる」為に必要な「センス」を身に着ける具体的な方法は書いてないが、その代わりに「センス」に関しての具体例は豊富で面白く、それを身に着けるためのヒントは沢山あった。センスに対立する概念としてスキルという言葉を用いているが、両者にはその2つに優劣を付ける意図はなく、共に重要にも関わらず、時代錯誤的にスキル獲得に傾倒し、センスが過小評価されている昨今の状況に警鐘を鳴らす。
センスの相対的重要性が高まってきている理由
・問題が「量的問題」から「質的問題」にシフトした。
・ものごとの価値が「役に立つ」から「意味がある」にシフトした。
・問題が希少で、正解が過剰な時代になりつつあること。
・スキルのコモディティ化
センスがある人
・活動が全体のどこに位置づけられるかを常に意識している
・価値基準を内在的に持っている
・インサイド・アウト
・目的に沿って必要な知識を習得する
センスがない人
・活動が局所化・部分化する傾向にある
・価値判断を外部に求める
・アウトサイド・イン
・知識の不良在庫が多い
感想
本書を読んだ上で、僕が思う仕事が出来る人の特徴は、単にアウトプットするだけではなく、目的をしっかりと理解しそれに沿ったアウトプットが出来る人だと思う。スキルというのは目的を達成する手段でしかないから、本来スキルの習得が目的にはなりえない。本書において楠木氏が「プロキシ」とよんでいるが、スキルの習得自体が目的になってしまう引掛けが世の中には沢山存在する。それに惑わされること無く、常に目的を意識したスキルアップが重要だ。「センスorスキル」ではなく、「センス×スキル=仕事が出来る」という等式になるだろう。仕事が出来る人になるために僕がまず出来ることは「目的を徹底的に意識する」ことであり、明日から実践していきたいと思う。