MORE THAN BASKETBALL

全ての道はバスケに通ず

主体的な行動が”より”求められる時代

先日チーム内の若手向けに勉強会を開催した上司が言っていたことが気になったので、自分の考えをまとめておきたいと思う。この勉強会の参加者は1〜3年目の新卒入社社員、会計・ITなどの業務に関するバックグラウンドを持たずに入社した人たちだ。

その上司が言っていたことは以下である。

働き方改革等で残業が自分が若いときのようにできなくなって楽になるように見えるが、残業できないということは、上司・先輩に直接教えてもらう機会が減るということ。仕事における知識をつけていく上ではむしろ前の世代よりも大変になると捉えることも出来る。つまり残業をしないことによって空いた時間を各自がどう使うかが、中長期で見ると大きな差につながる。」

その上司の時代は自分が仕事が出来なくても、近くにいる先輩社員や上司に教えてもらったり手伝ってもらったりして、出来るまで付き合ってもらうことも出来たみたいだ。一方で今の弊社はフリーアドレスで直属の上司や先輩を見つけるのも難しいし、在宅勤務を推奨しているため、そもそもオフィスにいない可能性すらある。クライアントサービスということで、他社へ出向くことが多いため、オフィスへの時間が他の業種に比べて少ないというのもあるが、この上司が言う通り、以前と比較して大きく働き方が変わり、それに伴って他の社員との関わり方がというのは間違いないだろう。

上記のような変化に加えて、テクノロジーの進歩により若手社員に求められる役割が変わってきたことも、働き方に大きな影響を与えていると思う。特に私が働いている会計業界では特に言われていることだ。基本的に若手社員は高度な判断を伴わない単純な作業を求められることが多い。しかしこのような仕事は基本的にテクノロジーによって代替可能である場合が多い。人間は高度な判断を伴う業務を期待されるまでの期間が短くなる。テクノロジーの発展により既存の知識はこれまで以上に早いスピードで衰退し、新たな知識が求められるサイクルが早くなる。そういった環境の中で「どうやって新しいことを身に着けるか」ということがより重要になることは言うまでもない。「新いことを知り、それを仕事で活かせるまでに自分の中に落とし込むこと」が仕事で必要な勉強であると考えると、これをどれだけのスピードでこなせるかどうかが非常に重要だ。

働き方の変化及びテクノロジーの進歩により、より自発的に自分のキャリアを考え、そして自ら知識やスキルを身につけていくことが必要になった。新卒一括採用や終身雇用という20代の親世代では常識だったことは、近い将来非常識になるだろう。

私の上司は若手社員に自発的な勉強の重要性を説いたが、自発的に勉強したりキャリアを考えることは20代の社会人だけではなく、大学生や高校生にとってもとりわけ重要になると私は考える。新卒一括採用のようなシステムがなくなれば、採用されるためにもそれまでの自分と仕事が何らかの結びつきを見出さないといけないし、何が出来るかを具体的に示さないといけない。これからもっと厳しくなる中で、私自身は新卒一括採用最後の時代に大学を卒業したことはラッキーだったと思っている。大学時代の私は勉強こそ頑張っていたものの、「これからどうして行きたいか」「どういうキャリアを望むか」などについて、確信を持って他人に伝えることは出来なかった。約3年間社会人生活で、やっと方向性が見えてきた感じがする。親や上司や先輩は、社会人になってからこういうことに気づくのは当たり前と言うかもしれない。しかし今からの時代は皆が一斉に乗るレールがないから、早いうちから考えて具体的な行動を起こしていかないといけなくなるはずだ。選択肢も多くなる分、自分の意志を明確に示すこと。こういった主体性を持つことが大切だ。

まとめると、外部環境の変化(働き方改革、テクノロジー、労働慣行の変化)によってレールがなくなり、個人による選択の余地が増える。だからこそ、キャリアを考える上でもや知識やスキルを身に着ける上でも、個人は主体的に行動していく必要がある。そして、早いうちからこのような行動が求められるようになる、ということだ。

 

おわり